生ゴミバイオマス施設建設に関する状況視察研修

バイオマス施設の状況

目的
　生ごみのバイオガス化施設の有効性について
日程
　２０１０年１０月１４日(木)〜１５日(金)
視察先
　（1）神奈川県鎌倉市日本共産党市議団
「生ごみバイオガス施設の取り組みについて」
一般廃棄物処理事業については、「ゼロ・ウェイストかまくら」の実現の基本理念を掲げ取り組んでいる。
　　　《ＰＤＦ鎌倉Ｘ３Ｒ（スリーアール）平成１９年度鎌倉市の資源物とごみの流れ》
　　　《ＰＤＦ鎌倉Ｘ３Ｒ（スリーアール）平成２０年度鎌倉市の資源物とごみの流れ》
下水道事業と一般廃棄物処理事業の共同事業として、下水汚泥と生ごみを集約処理し、メタン発酵により回収されたバイオガスをエネルギーとして場内等で有効活用を図る。下水汚泥と生ごみを集約処理することで、生ごみ単独のメタン発酵によるエネルギー回収施設の場合に必要となる発酵残渣や排水処理施設を既存施設の有効活用する計画である説明を受けた。議会の取り組みとしてもバイオマスについて学習も行い、調査研究もしている。
現在の２ヶ所の焼却施設は老朽化しており、1つの施設は住民との協定により廃止の予定です。隣の逗子市とのごみ広域化協議が白紙に戻り、自前でのごみの焼却が求められました。
生ごみを中心としたバイオマス・メタン発酵施設は全国で５１ヶ所あり、技術的には既に確立した安全な施設
生ごみと下水汚泥との混合により、下水汚泥をメタンガスに変えることで汚泥を４０％減少させる効果があります。バイオマス発酵には大量の水の使用と処理が必要なことから、下水と生ごみの混合施設は合理的で環境にやさしい施設であるとしています。


　（2）神奈川県横須賀市
「生ごみバイオマス施設の中止について」
8月10日「広域ごみ処理施設へのバイオガス化導入を断念」の記事をインターネットで知り、その事実関係を確認したいとの理由でした。
　　　《ＰＤＦ横須賀市議会廃棄物処理等特別委員会の設置から現在まで》
燃やせるごみの有効利用に向け、平成13年度より横須賀市と住友重機工業の共同開発により燃やせるごみのバイオガス化研究が始まりました。この特徴は、生ごみ分別という市民負担を伴わず、燃やせるごみから生ごみを効率的に機械選別することによってバイオガス化を図る(横須賀方式)ものです。この実証試験の結果、平成18年11月「事業評価」を公表しました。
「事業評価」を踏まえて、「バイオガス化と焼却を組み合わせた処理」の導入を前提とする横須賀市三浦市ごみ処理広域化基本計画を平成21年3月に策定しました。
しかし、住友重機工業よりグループの公共事業からの撤退に伴いバイオガス化施設関連事業から撤退し、他社へ技術継承するとの申し出があった。
　　　《ＰＤＦ横須賀市議会廃棄物処理等特別委員会中間審査報告書》
市議会では、生ごみバイオガス化施設導入についての検討を行う「廃棄物処理等特別委員会」が平成21年9月より4回開催され、検討された。
検討内容は、「横須賀方式」を前提に、事業評価の見直し、メーカーヒヤリング、総合評価を行って、生ごみバイオガス化施設を導入する場合と、導入せずに全量焼却する場合の比較検討を行った。その結果「経済性」「運転の安定性」において「全量焼却」が優位であるとの結果となった。ごみ処理施設については、横須賀方式の「バイオガス化と焼却を組み合わせた処理」を導入しないことが適切と結論付けた。
　（3）神奈川県三浦市
「三浦バイオマスセンター事業施設の概要等」
平成１５年10月に三浦商工会議所を中心に、市場関係団体や行政が「三浦市地域再生研究会」を組織し、マグロ経済を核とした地域再生策の研究に取り組んできた。その活動は、「三浦市バイオマスタウン構想」の策定に結びついた。三浦市と三浦市商工会議所の呼びかけにより「三浦地域資源ユーズ株式会社」を０６年7月に設立、国の交付金を受けて「三浦市バイオマスセンター」が建設されました。
設立目的は、
三浦市の「地域再生計画」と｢バイオマスタウン構想｣の実現をめざす会社。多様な「三浦市地域再生計画に関する業務」｢三浦バイオマスセンターに関する業務｣の実施が可能。
し尿・浄化槽汚泥の処理などの「公共」の仕事を「民間」（三浦地域資源ユーズ株式会社）に委ねて実現。
地元研究会の歩みが「民間」の理解と協力(出資)を広げる。プロポーザル方式の採用。
生活環境影響調査（平成18年から平成19年）、予測分析(平成20年)住民説明会開催
予定地地質調査(平成19年)
バイオマスセンター基本計画（平成１９年から平成20年）
施設建設(平成21年5月から平成22年4月)
試運転期間（平成22年6月から）
施設の稼動（平成22年秋）以後15年間の管理委託契約の締結