市政の動き−議会報告政策・見解

平成20年度予算について

行政改革のもと、医療・福祉などのサービスが切り捨てられ、「後期高齢者医療制度」をはじめとして医療・福祉の負担は高くサービスは切り捨て!

 3月28日(金)本会議に於いて、平成20年度一般会計予算、各特別会計予算、企業会計予算は賛成多数で可決されました。
 一般会計予算は、法人市民税の増により市税は横ばい、土地造成事業特別会計や特定団体経営機構管理基金の繰入金は約6億円と昨年に比べ15.4%増、ふるさと融資事業などの市債は約18億円と24.4%増で、総額254億5千万円で1.8%増となっています。
 医療部門での、乳幼児医療費の窓口無料化9歳までの継続、母子医療費無料制度・重度心身障害者医療費無料制度の立替払いでの無料化の継続が明らかにされるなど積極面は持ちながらも、住民状況を見ない国の言いなりの「後期高齢者医療制度」の導入など住民負担増となる国の施策に沿ったものとなっている。
 3月議会では、52議案と人事案件5議案・意見書案2件が提出され、党市議団は「三観広域行政組合規約の一部変更」や「三豊市火葬場条例の一部変更」など47議案に賛成、5議案については下記の理由で反対しました。
「道路特定財源の確保に関する意見書」には反対、「医師・看護師の大幅な増員を求める意見書」は賛成しました。
 《PDF平成20年度当初予算の概要》
反対討論
(1)議案第17号「三豊市後期高齢者医療に関する条例の制定について」
 4月実施予定の後期高齢者医療制度の具体的に三豊市が行う内容を定めています。この内容は、市独自の見解が全く感じられない内容である。
中身を十分知らせない中で、4月より制度が導入されようとしています。75歳以上の人を「後期高齢者」と呼び、他の世代から切り離し、際限のない負担増と差別医療を押し付けます。
 「後期高齢者医療制度」に批判が広がっているのは、この制度が、75歳以上の人を国保や健保から追い出し、高い負担を無理やり徴収しながら、必要な医療を受けなくする空前の改悪だからだということです。
 新制度が導入されると、75歳以上の人は、今加入している医療保険を脱退させられ、新しい「後期高齢者医療制度」に組み入れられます。ここで待っているのは、高い保険料の情け容赦のない徴収です。
 保険料額は2年ごとに改定され、医療給付費の増加や、「後期高齢者」の人口増に応じて自動的に引きあがる仕組みになっています。
 現在、サラリーマンの「扶養者」として健保に加入している人も、新制度に移行後は、保険料が徴収されます。あらゆる世代の中で、75歳以上の人だけは、どんな低所得でも「被扶養家族」から切り離す、こんな差別的な医療制度が許されるでしょうか。
 過酷な保険料徴収の一方で、保険で受けられる医療の内容も差別・制限されようとしています。
 「後期高齢者」の診療報酬を「定額制(包括払い)」とし、保険が使える医療に上限をつけてしまうことです。こうした報酬体系をつくり、75歳以上の高齢者への保険医療を制限し、「医療給付費の抑制」をはかるのが、この制度の目的です。
「療養病床」を23万床削減し、病院追い出しを進める改悪も、来年度から本格化します。
 ヨーロッパ諸国など「国民皆保険」が確立している国の中で、年齢で被保険者を切り離し、保険料や医療内容に格差をつけている国はありません。
 いまの高齢者はもちろん、将来、高齢者となる全ての国民から、医療を奪い取る改悪です。高齢者を扶養している現役世代にも、重い負担がのしかかります。
 各自治体からは、負担軽減や制度の見直しを求める意見書、「制度」の「見直し」「凍結」などを求める意見書は500を超えています。
医療関係者も「制度の全面見直しを求める見解を発表」するなど、見直しを求める声も多くなっています。地元の老人会においては、導入反対の団体署名もいただきました。
私たちは、年齢差別の医療制度に反対し撤回・廃止するべきと考えています。よってこの条例案には反対いたします。

(2)議案41号「平成20年度一般会計予算案」
一般会計予算は、後期高齢者医療制度の推進をはじめとした政府の構造改革路線に沿って編成され、行政改革の前進を強調しています。
 市民生活は、格差と貧困の拡大のなか厳しさを増しています。
医療分野では、子育て施策での乳幼児医療費の窓口無料化の9歳までの継続、県は患者に負担を求めているが窓口無料化を実現する母子医療費窓口無料化、重度心身障害者医療費窓口立替払いの継続が明らかにされています。
しかし、今年度予算案では同和関係予算を例示し反対の理由を明らかにします。

第1は、隣保館費3館で約6800万円(昨年7700万円)となっている。
7館・25分館の公民館費9900万円(昨年7100万円)と比べても隣保館費は多い。
県の隣保館運営補助事業は、平成9年度に終了し、一般対策事業に移行した事業です。地域社会全体の中で、福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となるコミュニティセンターとして、生活上の各種相談事業や人権課題の解決のための各種事業を総合的に行うとされている。
 隣保館の利用状況、利用率等を調査・分析し、費用対効果の検証を含め、検討すべき必要があるのではないか。
厚生省、隣保館設置運営要綱では、第3で運営の方針を定めています。1項で、隣保館は、目的のため、地域住民の理解と信頼を得つつ、地域社会に密着し、地域住民の生活課題に応じた事業計画を長期展望の下に毎年度策定し、その計画に基づいて事業を実施するものとする。これが不足しているのではないか。

第2は、同和対策就学・就園奨励資金交付事業についてです。
県でも交付事業は終了し、県内自治体でも数えるほどになっている。県の外部監査報告書のなかでも、「同和対策事業が進展する中で、同和地区が一般地区に比べて優遇されていて、逆差別になっているのではないかと言う意見もある。」といわれています。
意識調査報告書:同和地区の生活環境について
        同和地区の生活水準について
所得制限を設けているとはいえ、市民の暮らしはほとんど変わらないものとなっている。「給付制度は無くして方向である」と聞いていたにもかかわらず、同和対策として、市単独の個人給付制度を残すことをやめ、直ちに一般対策化する事を求めるものです。

第3は、社会教育指導員設置事業
対象校に配置されていた、同和加配が廃止され児童生徒学力支援加配に変更しました。生徒指導などの市内における加配の状況をみた時、3名市単独で設置するのは、学校の今の状況を考えたとき、人権教育に重点をおいたものであり、3名必要とする根拠が不明確である。

第4は、同和団体各種補助金1420万円となっている。前年は1480万円でマイナスシーリングを行っていないのではないか。特別扱いをしているのではないか。

以上の理由により一般会計予算に反対します。
2つの反対討論を行いました。

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