資料室−土地開発公社

原下工業団地土地造成事業「中間報告」行われる

市長、損害賠償請求・不当利得返還請求権時効消滅に対して、新たに刑事告訴をしない方針

 7月18日、田代弁護士をはじめ4人の弁護士による、原下工業団地土地造成事業「中間報告について」が三豊市土地開発公社に対して行われました。この内容について議会全員協議会が7月27日(金)開催されました。
 報告書は提出されましたが係争中との理由により回収されてしまいました。

内容(概要)は、
   「第1、不正支出
       現在係争中4名の責任について
       平成18年12月28日、3名の刑事告訴を高松地検に提出
    第2、現金着服問題
       三豊市が訴えた内容
    第3、不当対価問題
       原下工業団地に廃棄物が下にあるのを知っていた
       鑑定価格と5億912万円余りの差額が出ている
       現在21億余りの借入金、そのまま三豊市の負債額となるおそれ
       共謀して公社に損害を与えたと思われる
       不当利得返還請求権は平成19年8月5日に時効となる
    第4、その他の問題
       売却済み用地代金について」

 市長は、損害を与えたとしても正式機関で決定したことは、尊重すべきで当時町長であった者の不当利得返還請求などの刑事告訴は行う考えがないことを示しました。
 三豊市土地開発公社の借入れ額は約21億円、三豊市が債務保証を行うとすれば、人口約7万人、1人当たり3万円の負担となります。
 市長名で2007年3月22日付けに出だされた「民事訴訟提起について」では、「借入金21億5千万円余は、新生三豊市にとってあまりににも重く大きな金額です。その上、不当で不透明な支出は許しがたく、まずは私たちの貴重な税金はなんとしても取り返さなくてはと強く認識しております。」と述べています。
そして今回の中間報告では「共謀して公社に損害を与えたのが実体であると思われる。」と報告されているにもかかわらず、「債務不履行による損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の平成19年8月5日、消滅時効を迎える。」新たに刑事訴訟を行う意志がないことを明らかにしました。巨額の損害を与えたものはほったらかしになります。住民に説明しても理解は得られないのではないでしょうか。
 
中間報告の中でも、
「・・・多額の売買代金を支払っているが、対象地が廃棄物処理場として使用され、地下に廃棄物が多量に埋まっていることは、当時の役員らには周知の事実であった。」
「Sが公社を支配し、更にはHと共謀し、公社に損害を与えたのが実体と思われる。」と報告されえています。
 市長は全員協議会に報告したから了解を得たと思っているらしいが大きな勘違いではないか。時効消滅期限ぎりぎりに重大問題を全員協議会に提案するのは、この間の市長の常道となってきている。全員協議会は正式な議決機関ではなくそこで正式に決められたかの様に進むのは、論議を行い議決する本来の議会の役割を失うこととなる。
 21億円の負担を三豊市がいつ行うかについては、19年度補正予算か、20年度当初予算を検討しているとのことです。各議員がこの予算案に対してどのような態度を取るか試されるのではないか。
 
 
  

原下工業団地土地造成事業「中間報告」(概要)

三豊市土地開発公社御中    
                        2007年7月18日
                          田代弁護士他3名
第1、
 H15年8月29日、Hに対し、土地代金の不足分の名の下に5175万2826円支払ったがこれは、公社役員らが理事会等に支払いの事実を隠匿して行った違法な支出であった。
 公社が平成17年12月21日、同じくHに対し、物件補償費の名の下に支払った664万3554円についても、公社役員らが正規の手続きを無視して秘密裏に存在しない物件に対する補償金を支払った違法なものであった。
 ・・・・・・・・      

 刑事告訴について
 刑事告訴に関しては、平成18年12月28日、S,O,Hについて、背任罪及び虚偽公文書作成、同行使罪による処罰を求める告訴状を高松地検に提出している。

第2、現金着服問題について
  ・・・・・・・・・

第3、不当対価問題
 原下工業団地の売却処分については、地下に存在する廃棄物により、困難を極めており既処分地においても、・・・・・追及されている状況にある。更に、近いうちに、三豊市は公社の保証人として、工業団地で発生した巨額な損失について公金による補填を余儀なくされることとなる。
 そして、これら公社及び三豊市をこれほどまでに困難な状況をもたらした根本的原因は、工業団地の地下に存在する廃棄物にある。
 この点当時の役員らは、地下に廃棄物が存在する点を全く加味せず、Hとの間で平成5年に仮契約を、平成9年に本契約をそれぞれ締結し、5億8867万3626円という多額の売買代金を支払っているが、対象地が廃棄物処理場として使用され、地下に廃棄物が多量に埋まっていることは、当時の役員らには周知の事実であった。
 なお、当職らが改めて、廃棄物処理が行われていた点を考慮した不動産鑑定を依頼したところ、適正価格は500円/?であるとの結論が得られており、売買金額とは総額で5億912万3136円もの差額が生じている。
 そして、これらの土地の多くが元はS所有の土地であり、これらの土地売買により、Sに多額の利益がもたらされたことは容易に想像できる。
 現在、原下工業団地に関しては、21億8000万円もの借入金があり、これはそのまま三豊市の負債額となるおそれが大であり、これはひいては、三豊市民の負担に帰することとなる。
 この点関係者の供述を総合すると、平成5年の仮契約も、平成9年の本契約もその・・・、当時の高瀬町長であるSであり、Sが公社を支配し、更にはHと共謀し、公社に損害を与えたのが実体と思われる。
 そして、Sに対する債務不履行による損害賠償請求権及びHに対する不当利得返還請求権は平成19年8月5日に消滅時効を迎えます。
 よって訴えを提起するのであれば、その日までにする必要がある。

裁判の結果と見通しについて
 裁判の結果については、時が経過しているという点において、困難な面もあり、必ず勝訴して損害が補填されるという保証はない。しかし、この問題の重大性に鑑みれば損害額を限定するにしても、提訴するべきではないかと考える。
第4、その他の問題
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